東京店舗デザインガイド

結論から言うと、店舗デザインや設計には定価が設定されていません。それは、店舗と一括りでいっても規模やエリア、内装の形など同じなものは一つもないからです。
基本的にはオーダーメードとなっており、業態によって必要な工事が異なるため、明確に「○○円」とは提示しにくいという現状があります。
ですが、会社によっては、総工事費の○％というように価格設定が大まかに決まっている場合があります。価格の基準を明確に設定している会社であれば、デザイン以外の費用も信頼できるでしょう。

大まかな金額を知り、各社により詳細な見積もりをとった上で比較・検討したい場合は、デザイン費に明確な基準を設けている会社への依頼をおすすめします。

店舗デザイン会社を探す際におなじみの店舗デザイン.com及び人気店舗デザイン.jpの両方に個別のページを持つ会社の中から設計料に関する記載のあるものをピックアップしています。
※2020年8月時点の調査情報を元にしています。

デザインスタジオミームでは、店舗を始めとした空間の企画やデザイン、設計までをワンストップで、さらにはプロジェクト全体のスケジュールやコスト管理のサポートも行っています。

また、店舗に配置する家具のデザインやプロダクトの企画やデザイン、グラフィックなども手がけており、クライアントの世界観やモットーに合わせて統一感のある空間創出を得意としています。
店舗デザインとしてはスタイリッシュで落ち着いたデザインが多いです。

デザインスタジオミームのデザイナーには、飲食店や美容室、サロンなどの専門店舗、商業施設等幅広い業種のデザインなどを手がけてきた大谷洋介氏が在籍しています。高級飲食店やラグジュアリーホテルなど、上質な空間作りには定評があり、高単価顧客を獲得したい店舗には特におすすめです。

岩本勝也+エンバディデザインでは、クライアントやエンドユーザーの理想や想いを大切にしたデザイン設計を大切にしています。

店舗は飲食店や美容院、ホテルやオフィスなど業種業態問わず多種多様、幅広く対応。丁寧なヒアリングを通して、目には見えない気持ちや空気感までもしっかりと汲み取って形にし、使いやすさや通いやすさまで着目した機能性も重視しています。

デザイナーは岩本勝也氏。1998年や2001年、2003年にJCD（一般社団法人　日本商環境デザイン協会）商環境デザイン奨励賞を受賞しており、現在では書籍も多数執筆しています。そんな岩本勝也+エンバディデザインは2021年で創業30年を迎えます。比較的歴史も長く、名実ともに実績のあるデザイン事務所です。

参考URL：エンバディデザイン（http://embodydesign.com/about/）

モーブデザインアソシエイツでは、ただデザインするだけではなく機能面やビジネス面での成長など多岐にわたる視点でデザイン設計を行っています。

また、時代を超えても愛されるような普遍的なデザインを重視しており、ブランドイメージの構築からしっかりとサポート。飲食店や百貨店のデザインが特に多く、滞在中のエンドユーザーの快適さやまた来たいと思えるような価値創造を得意としています。

代表は岡部哲也氏が務め、東京レストランデザインコレクションへの掲載や14TH BEST STORE OF THE YAERの優秀賞といった賞も受賞している。ブランドロイヤリティの向上も強みであるため、高級ショップや空間へのこだわりをしっかりと持ちたい店舗には特におすすめです。

参考URL：モーブデザインアソシエイツ（http://moob-design.com/profile/）

デザイン・設計と施工を担当する会社が異なる「分離発注」と、1社がワンストップで担当する「一括発注」の2パターンある。
それぞれのメリット・デメリットを紹介していこう。

分離発注とは、デザインと施工を別々の業者に頼むことを指します。分離発注の場合、どのような工事を依頼するのかを自分自身でコントロールできるため、要望をしっかり伝えることができます。店舗デザインへのこだわりが強い場合によく使用される方法です。
中にはデザインのみに力を入れているデザイン事務所もあり、一括依頼ができないからという理由で分離発注を選択するケースもあります。

分離発注の場合、施工業者も実績や相場感などから選べるため、相見積もりをとるなどコスト削減とクオリティー向上の両方を実現しやすいです。

また、設計者が監督する場合においては施工のプロの見積りをデザイン・設計のプロがチェックするため、適切な費用で適切な施工をしてもらえます。

分離発注のデメリット

しかし、一つの店舗に対して複数の業者が絡んでくると、スケジュール調整や指示出しなどに苦労する可能性もあります。デザインと施工がそれぞれ別会社の場合、コミュニケーション不足などで最終的に理想通りにならなかった・トラブルが発生したという場合も少なくありません。

また、費用に関しても別会社にそれぞれ料金を支払わなければいけないため、最終的なコストが割高になる可能性も稀にあるため、注意が必要です。

一括発注の場合、デザインから施工まで全て一つの会社に依頼することが可能です。
そのため、スケジュール調整や相談窓口の一本化などさまざまな面でのコストを抑えられます。オープン直前で忙しい場合でも一つの会社に対してのみ相談や依頼をすれば良いため、拘束時間も短くなります。
デザイン段階から完成後のアフターフォローまで同じ会社が請け負ってくることは、信頼関係構築にも繋がりやすく、安心して任せられます。

また、全て同じ会社が担当する場合デザインと施工のズレが生じにくいこともメリットです。理想としていた形により近い状態での実現が可能といえるでしょう。

一括発注のデメリット

しかし、それは依頼する会社のスキルが見合っている場合に限ります。例え良いデザイン設計ができあがっても、スキルが見合っていない場合にはこだわりが実現できないケースもあるようです。
そのため、一括発注でデザイン事務所を選ぶ場合にはデザイン力はもちろん施工スキルも高い事務所を選ぶ必要があります。

工期や費用面で思いもよらぬ追加要望が発生した場合、依頼者自身の交渉になり、知識が無いと交渉するのが困難になるという側面は非常にやっかいです。

また、施工に際した費用において、設計側のチェックという施工側への競争原理が働かないため、不透明になりやすいです。
金額の比較検討や施工の品質検査など、このチェック機能が非常に重要といえます。